ムーラン・ナ・ヴァン ☕️

映画とテニスのおまかせ日記・・・好きなカテゴリーをお選びください

これでもか!な筋書きには脱帽する【非常宣言】

ソン・ガンホイ・ビョンホンがタッグを組んだ航空パニック・ムービー
『非常宣言』2023年公開

娘とハワイへ向かうジェヒョク(イ・ビョンホン)は、空港でつきまとってきた若い男(イム・シワン)が同じ便に搭乗してきて不安を感じていました

離陸後間もなく、男はトイレにウィルスの粉末を撒き散らしました
まもなくトイレを使用した男性乗客が死亡
その後、次々と体調を崩す乗客が現れ、機内は恐怖とパニックに包まれます
地上ではク・イノ刑事(ソン・ガンホ)が、テロ被害の飛行機に妻が搭乗してたことを知り愕然とします

機長が死亡し、犯人の若い男も死亡
ハワイへの着陸許可が降りず韓国へUターンしますが、他国の対応や自国の世論で乗客らの運命が大きく揺れ動きます

揺さぶり上手
この時期に未知のウィルステロの話をドラマチックに描く映画を作るあたり、日本じゃ出来ねぇ〜と感じます
海外ではアニメは日本、ドラマは韓国が評価されるのも頷けます
この作品も予想以上にキレイに物語をまとめてきました

2大スター競演

この2人ががっちり魅せてくれます
話も丁寧に描かれており簡単には終わらせません
「自信の表れか?」と思える上映時間は141分と長め!
引っ張られました(笑)

アメリカとの違い
この手の話でも、アメリカならもう1人バシッと有名女優が出演しそうですが、韓国はそこはまだ控えめな気がします
恋愛系ドラマなら個性的な女優が出るのに…

映画館で見たら窒息しそう

これは、かなわんな〜【しあわせの雨傘】

監督:フランソワ・オゾン 主演:カトリーヌ・ドヌーブ
フランスのコメディ映画
しあわせの雨傘2011年公開

スザンヌカトリーヌ・ドヌーヴ親から譲り受けた雨傘工場をロベール(ファブリス・ルキーニ)に任せてのんびり生活していましたが、娘から「ママみたいになりたくない」と言われてショックを受けます

工場でストライキが起こり、ロベールは組合と対立中、心臓発作で倒れてしまいました
市長のババン(ジェラール・ドパルデュー)の勧めで、工場の経営を引き継ぐハメになったスザンヌでしたが、労働者たちの意見を聞き、業績を大幅に改善させることに成功します

そんな矢先、退院したロベールが戻ってきます

タイトルはダサい(笑)
原題は”Potiche”で「飾り壺」という意味ですが、カトリーヌ・ドヌーヴの「シェルブールの雨傘」とモロに絡めた邦題にしてしまってます
ストーリーはサクサクとすすんでアララ〜と飲み込まれていく感じです

オゾン監督作品ですがLGBTの話ではなく
初っ端からドヌーヴ様が上下ジャージ姿で現れます
はたから見ると大人しいマダムですが、実は懐が広すぎて穏やかにしか見えないという女性でした
夫の代行をした事で本来の姿が見えてきます

スザンヌの若い時を演じた女優さんが美しい

エロディ・フレージュ・・本業は歌手のようですがインパクト大の美しさ!
出番は少ない、そしてすぐ押し倒される(笑)

笑い飛ばせないような気が…

あなたは何かの恐怖症?【アラクノフォビア】

クモ恐怖症の男が毒グモと戦う話
『アラクノフォビア』1991年公開

アサートン博士(ジュリアン・サンズ)一行は、南米のジャングルで生態系の調査中に新種のクモを発見します

その直後に、カメラマンが別のクモに噛まれて死に、その遺体は彼の故郷カナイマに運ばれていきました
同じ頃、サンフランシスコからジェニングス医師(ジェフ・ダニエルズ)一家がカナイマへ引っ越してきます
小さな町でのどかな生活を送るはずでしたが、待ち受けていたのは、南米生まれの毒グモの犠牲者で…

検死をしたジェニングスから連絡を受けたアサートン博士も調査を開始します
最悪なことに、ジェニングスはクモ恐怖症(アラクノフォビア)でした

クモが苦手な方は
小さな『エイリアン』だと思って見ていただければ良いかと思います
エイリアンフォビアの方は・・お勧めしません(笑)
眉をひそめたくなるようなパニックでもなく適度に楽しめます

有名ではありませんが個性的なキャスト
中々セレクトする理由が見当たらない分野の映画かもしれません
あまり有名な役者さんの出演もありませんが、『ゴーストバスターズ』みたいな格好で現れる害虫駆除業者の男が傑作です

リメイクの話
20世紀テイストを21世紀仕上げにできるのか興味ありました
ある有名監督がリメイクする話もあったようですが、未だ出来ていないので立ち消えになった様子…残念です

「饅頭こわい」くらいが平和でいいね

おもちゃ屋が作ったAI 人形が予想通り暴走する【ミーガン】

多機能な少女型AI ロボットが小暴れするSFチックなスリラー
『ミーガン』2023年公開

おもちゃ会社の研究者ジェマ(アリソン・ウィリアムズ)は、子供にとって最高の友達で、親にとって最大の協力者となるためにプログラムされたAI人形ミーガンを開発していました
あるとき彼女は、交通事故で両親を亡くした姪のケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)を引き取ることになり、ケイディのためにボディガードを兼ねた友達としてミーガンを試験起動することにしました

ケイディはずっと側にいてくれるミーガンと仲良くなっていきます
ミーガンはケイディが隣人の飼い犬に襲われた後、様子がおかしくなっていき…

今年期待の映画でした
正直なところ、もっと激しく、もっと別の展開を予想していました
劇場公開の映像と差があるのかもしれませんが、エグいシーンはカットされたり別の映像に編集されており、恐怖感はかなりマイルドでした

2足歩行のAIロボット
ゴリゴリの科学者が作ったロボットと違い、今回はおもちゃ屋が作ったAIロボットということで色々ユルユルです
日本的な発想の商品でないことは確かです

殆ど人形でした
実際に足を使って歩いたりするシーン以外は、

人形を動かして撮影してました
顔の表情は機械操作ですが、首や腕の動きは辻村ジュサブロー人形スタイル!
意外とクラシックな工夫で人形を動かしているのには驚きました

AI を信頼してるけど信用できない悩み

墨絵の名人とは【映画と落語】

水墨画の映画がレンタルされてます
こういうマイナーの世界の話は結構面白いものが多いので、予告動画を見て、ブログのレビューの記事も読みました
とりあえず、レンタルは・・保留(笑)

水墨画の巨匠が即興で鳥の絵を描くシーンを見て、
ある古典落語の噺を思い出しました
名人絵師の描いた5羽の雀が絵から飛び出すというもので…

『抜け雀』あらすじ
 小田原の宿に無一文で宿泊していた客が「宿代のかた代わり」として衝立(ついたて)に雀の絵を描き、自分が戻るまで誰にも売るなと言って出て行きました
翌朝、衝立から雀が飛び出し、しばらくするとまた衝立に戻ってくることに気づいて宿屋の主人は驚きます

 雀の絵は大変な評判になり、大勢の客が押し寄せ、殿様は千両で買うと言ってきましたが、主人はそれを断って絵を描いた客を待ち続けました
 ところが、この絵を一目見て「未熟だな」「絵に手を加えないと雀が死んでしまうぞ」という初老の男が現れ、雀が休める止まり木のある鳥籠を描き加えました
雀の絵は更に評判になり、殿様は2千両で買うと言ってきましたが・・
 そして、とうとう雀の絵を描いた客が戻ってきました
主人は絵を譲り受けて大喜びしましたが、鳥籠を書き加えた男の話を聞いた絵描きの客は「かごを描いたのは私の父だ」「私は親不孝者だ」とガックリ肩を落としました
「私は父をかご描き(駕籠かき)にしてしまった💧」(このオチはやや難しい)

名人の技が超越的です

落語の噺の中には絵だけではなく、
彫刻の名人なども出てきて
「生きているかのような木彫りのねずみ」
「水をさすと花が開く竹細工の水仙
を宿屋に置いていく話などもあったりします

 

名人好きの方は是非聞いてみて下さい